どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

採取開始前夜と予後因子 Ki-67


◆2015年12月6日(日) day2
朝G-CSF(ノイトロジン)投与。夕方はWBC高値のため中止。

◆2015年12月7日(月) day3
朝もWBC高値のためG-CSF中止。夕方I先生がやってきて、
「幹細胞が意外と出てます」とのこと。水曜から採取の予定だったが、前倒しで明日から行うことになった。ノイトロジンを投与、輸液(ラクテック)も開始となった。
明日は朝いちばんにシャワーを浴び、IVRセンターで鼠径部にカテーテルを入れてから採取室に向かうことになっている。今回は脱血だけでなく返血も同じカテーテル(マルチルーメン)で行うらしい。結構太いのが入りますよー、とのことだった。ま、ここまで来たら何でもござれだ。

閲覧注意! ここから先は予後に関するややデリケートな内容です。
もし予後に関する情報を知りたくない場合は読まないでください。
人によっては、すべてを知ることが治療やメンタルに良い影響があるとは限りません。



そういえば書き忘れていたのだが、この入院の前の診察のとき、M先生に質問した事項があった。それは予後因子に関することだ。
リンパ腫は型によって予後因子の指標があり、MCLはMIPI(simplified MCL International Prognostic Index)という予後予測モデルが提唱されている。年齢、PS(日常生活動作のレベル)、血清LDH、末梢血白血球数の4因子だ。さらにMCLにはMIPIとは別に腫瘍細胞のKi-67免疫染色陽性率(MIB-1 index)ミブワン インデックスという独立した予後因子がある。手持ちの専門書などによると、Ki-67は細胞増殖と細胞周期の代表的マーカーで、なかなか強力な予測能らしい。

自分のKi-67がどれくらいなのかずっと知りたかったのだが、これまでM先生に尋ねることはあえてしなかった。わざわざ医師のやる気をそぐようなことをする必要はない、と思ったからだ。せっかく抗ガン剤治療をしているのに、予後は?予後は?と患者に詰め寄られたら、わたしが医師ならば鼻白むだろう。これは医師への遠慮ではない。仁義の問題だ。

しかし、寛解導入療法が終わって一区切りついたので、タイミングとして今だと思い、退院後の外来診察で質問していたのだ。M先生はあっさり調べてくれて、再入院後すぐに教えてくれた。
「そんなに高くなかったよ。20%未満」
専門書によるとだいたい30%以上は予後不良らしい(率は本によって25とか40とかまちまちだが)。しかしM先生によると、この指標も細胞数を数える場所によって違ってくるので絶対的なものではないらしい。数%の差ではなく、ざっくり多いか少ないかを見るもののようだ。【Ki-67画像解析のながれ】

この先、無事に幹細胞が採れて自家移植に進めるとなったら、また違うリスクもあるし、重篤な合併症が起きないとも限らない。さらにわたしにはHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)キャリアというリスクもあるので、予後因子がすべてを決めるわけではないかもしれない。しかし、自分の病気に関する資料のひとつとして、なにかを決断するときの材料のひとつとしても、わたしの場合は教えてもらってよかったと思っている。

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