どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

春のベランダにて

長かった冬もそろそろ終わり。球根からつぼみが顔を出し、ハーブが花芽をつけて春一歩前の気配が漂う。ベランダに出て剪定ばさみを手に植物の手入れをしていて、ふとこんなことを考えた。 命にかかわる病気を経験するのは「摘心(てきしん)」に似ているな、…

3. 大腸内視鏡検査

家に帰ったわたしは、日経メディカルの記事と、JCOG(ジェイコグ)(日本臨床腫瘍研究グループ) のサイトからJCOG0406の実施計画書をプリントアウトした。これには大まかなレジメン(薬剤の種類や量・期間・手順など)も載っており、自分がどんな治療を…

2. 運命の治療法

Kがん病院の初診から、また検査と診察の日々が始まった。 ・7/ 2(初診日)CT ・7/ 7 胃内視鏡 ・7/ 9 骨髄穿刺、心臓超音波 ・7/10 PET/CT ・7/15 再診 ・7/16 大腸内視鏡 家からKがん病院までは電車で1時間半ほどかかる。何度も通うのは骨が折れ…

1. Kがん病院 初診

2015年7月2日(木)。Kがん病院、初診。 紹介状や病理標本などの資料一式を受付で提出し、外来の診察室へ向かう。大きな病院のわりに、あまり待たされない。受付のシステムがよくできているように感じた。セカンド・オピニオンも含めると相当な患者数だから…

2. 難敵

やっと敵の正体が見えた。それは予想していたよりずっと難敵であることがわかった。家に帰るなり、すぐに手持ちの本やネットでマントル細胞リンパ腫について調べた。 日本では悪性リンパ腫の約 3% を占め、高年層の男性 (男女比2:1) に多い → 3% のうち、男…

1. 不意打ち

入院中、N医師に確定診断が出るまで退院後1か月以上かかる、と言われていた。もともと生検に時間がかかる上、この病院に月1で来院する病理の権威の先生にも診てもらうため、とのことだった。 時間はかかっても、ていねいに診てもらえるのは何よりだ。脾臓摘…

6. 退院

週明け。月曜のイケメン回診で、K先生は「うーん、まだ炎症の値が高いね。退院の判断は当日(明日)の朝だね。抗生剤も明日の朝まで入れましょう」という。でも、後ろの方にいる他の先生たちが「なんか元気になってるよね」とヒソヒソ話しているのが聞こえた…

5. バッハを聴く

K先生の「退院」の一言で、身体の中からむくむくと生きる意欲のようなものが湧いてきて、カラカラに乾いた喉が水を欲するように音楽が欲しくてたまらなくなった。 それまでテレビもiPhoneも光ってるものを見るのがつらくて、最低限しか見ていなかった。音も…

4. イケメン回診

外科病棟の朝は早く、回診はいつも7時前後である。 この病院の外科のドクターはみなとても若く、とくに主治医K先生のチームは「顔で選んだのか?」と勘繰りたくなるくらい顔面偏差値が高い。まわりのおババ患者はみな「イケメン集団」と喜んで回診を心待ちに…

3. ウインスローうし

翌日も熱は下がらず。なんとか尿のカテーテルはとれてトイレには行けるようになったが、呼吸の苦しさも痛さもまったく良くなる気配がない。うつらうつら眠って目が覚めると相変わらず「うーん、うーん」とうなっている。ICUに移ります、と言われるのを今か今…

2. 院長回診

朝がやってきた。長く苦しい夜がやっと明けた。 しかし痛みは相変わらずで熱もある。リカバリー室にいるのは手術当夜だけで、翌日は元いた病室に戻されると聞いていたが、こんな状態で大丈夫なのだろうか。死ぬんじゃないのか。病室よりICUに連れていってく…

1. 入院・手術

2015年5月8日(金)。夫の付き添いでK病院外科に入院。 脾臓っ子(夫命名)の摘出手術は翌週月曜だ。すぐに入院・手術のオリエンテーションを受け、執刀医のK医師と面談する。 K医師はハーフっぽい優しい顔立ちのイケメンで、見るからに若い。診察してくれた…

6. 外科受診と検査の日々

2015年3月18日(水)。 血液内科の初診から数日後、同病院の外科を受診した。診てくれたのはベテランのM 医師。外科部長・消化器病センター長らしい。声とリアクションが大きく、いかにも外科医という感じ。 第一声、「手術するとなると、連休明け、5月10日…

5. 転院 はじめての血液内科

翌週。U病院の紹介状を手に、K病院の血液内科に向かった。初診を担当してくれたN医師は、年のころは私と同じくらい、白髪交じりの穏やかな印象の医師である。N先生は、この病院でのわたしの主治医となった。初診のこの日、たっぷり時間をとって問診、診察…

4. 内科受診

悪性リンパ腫の疑い、と告げられた翌週。同じU病院にて造影CT、エコー検査を経て、内科を受診した。名前を呼ばれて診察室に入ると、F医師はわたしを見るなり「あらっ、お元気そうですね!」と意外そうな表情で迎えてくれた。脾臓の痛みが治まり、自覚症状は…

3. おれは白鳥(夫のこと)

話は逸れるが、夫とわたしは趣味の釣りが縁で知り合い、17年前に結婚した。 子供には恵まれなかったが、趣味が同じなのでケンカのネタもなく仲良くやってきたといえるだろう。 夫はなかなか豪快な人で、海上を走る遊漁船のミヨシ(前方)に仁王立ちして、船…

2. 最初の告知

2015年3月はじめ。左上腹部の痛みが強くなり、日によっては仕事どころか歩くのもつらくなってきた。 見かねた上司の強い勧めで、仕事を早退して大腸ポリープを取ったU 病院へ。診てくれたのはポリープを切除した医師ではなく、若いがしっかりした感じのA医師…

1. ことのはじまり

2014年夏。職場の健康診断で便潜血陽性を指摘される。9月末の内視鏡検査を経て、11月に一泊入院にて大腸ポリープ1個を切除。 せっかくだから、と胃にも内視鏡を入れたが、軽い胃炎とのことだった。大腸のほうは、後日の診察で医師より「ガンになる可能性のあ…

プロフィール

自己紹介。 1961年生。九州は福岡、博多の出身。現在は関東の海沿いの町に在住。 既婚、子供はなし。以下、冗長なので興味と暇のある方だけどうぞ。 子供の頃は魚やザリガニを捕りに川へ出かけるのが日課だった。先祖は博多の下級武士で、鯨で稼いでこい、と…

ようこそ

R&Bに「What’s Going On」という大ヒットした名曲がある。マーヴィン・ゲイが繊細な高音で反戦を歌い上げるこの曲は、日本語にすれば「何が起きてるんだ?どうなってんの?」という意味だ。 このブログは、マントル細胞リンパ腫(MCL)という血液がんの闘病…

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