どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

4. 内科受診

 

悪性リンパ腫の疑い、と告げられた翌週。
同じU病院にて造影CT、エコー検査を経て、内科を受診した。名前を呼ばれて診察室に入ると、F医師はわたしを見るなり
「あらっ、お元気そうですね!」
と意外そうな表情で迎えてくれた。脾臓の痛みが治まり、自覚症状はまったくない状態だったからだ。


F先生は
物腰の穏やかな、タレントの田中律子似のなかなか素敵な女医さんである。問診、触診のあと、
「脾臓がものすごく大きくなってますね。これはね、重いですよ」
重い、と言われてそんなに重篤な状態なのかと一瞬怯んだが、続けて
「5~6kgはあるんじゃないかな」と。重量のこととわかって、ちとコケる。

「一番大きいところで26cmくらい。ラグビーボールくらいありますよ」
F先生はモニター画像上のポインタをマウスでドラッグして、脾臓の大きさを測りながらそう言った。
ラグビーボールのサイズを具体的に言える女性は珍しい気がする。
ラグビー観戦が趣味なのかな。それとも身近にラグビー選手がいるのかな… などと医師の人間観察をしている場合ではない。

「しかし、これほど大きくなると普通は胃が圧迫されて食べられなくなるんですが、そういったことはありませんでしたか?」と先生。

「いいえ、全然。食欲は普通ですし痩せてもいません」と答えると、うーん、と考えて「胃袋が奥の方にうまくスペースをみつけて、食べ物が入るとそこで膨らんでたんでしょうねぇ」と。わたしも一緒にうーん、と首をひねるしかない。

F先生は穏やかに、しかししっかりとこちらの目を見て話を続ける。
「造影CTの結果や血液検査のデータを見て、わたしも悪性リンパ腫に間違いないと思います」
血液検査のデータを見ると、貧血であること、血小板も少ないこと、膠原病の疑いもありますね、とのこと。そして、腫れた脾臓については、これくらい大きくなると他の臓器を圧迫しているので、摘出することになるだろう。摘出した脾臓から生検して、リンパ腫の型を見極めなければならない、と。
やはり、摘出するしかないのか…。

F先生は血液学会の専門医であり、とてもよさそうな先生だが、血液内科のない病院で治療を続けるのはどう考えてもリスキーだ。
わたしは同じ町にあるK病院への転院を申し出た。
K病院は700床を超える大病院で、血液内科もある。これまでは混むので敬遠していたが、そうも言っていられない。
F先生は快諾し、すぐに紹介状や画像データを揃えてくれ、K病院の血液内科の予約をとるように連携室に依頼してくれた。こうしてK病院への転院が決まった。

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