どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

5. 転院 はじめての血液内科

 

翌週。U病院の紹介状を手に、K病院の血液内科に向かった。
初診を担当してくれたN医師は、年のころは私と同じくらい、白髪交じりの穏やかな印象の医師である。N先生は、この病院でのわたしの主治医となった。初診のこの日、たっぷり時間をとって問診、診察をしてくれた。

「血液のデータからいって、悪性リンパ腫は間違いないでしょう」とN先生。
「リンパ腫の場合、型によって治療法が違うので、生検で型を調べなければならないんですが、あなたの場合、首や脇などのリンパ節が腫れてない。腹腔内のリンパ節は少し腫れているけれど、反応性かもしれないし、お腹の深いところにあるので開腹しないと取れない。やはり脾臓を摘出して生検するしかないですね」

「やっぱり取るしかないんですか」脾臓は血液の解体工場で、摘出しても人間は生きてはいける。が、その役割はまだよくわかっていないこともあるらしい。ならばできるだけ残しておきたいと思うのが人情ではある。しかし、N先生はいう。
「相当大きくなっていて、他の臓器を圧迫してますからね。このままにしておくと脾破裂とか脾梗塞になりかねませんから。いずれにしろ、外科の先生にも相談してみますから、今週外科を受診してください。院内紹介出しておきます」

「先生、この脾臓の痛みって何なんでしょうか」
「脾臓の中は痛みを感じないんですよ。痛いのは外側の膜です。血液を取り込んでパンパンになった脾臓の外側の膜が痛いんですよ」
なるほど。いわれてみれば、そんな感じの痛みだ。

「仕事は休んだほうが良いでしょう。さっきも言ったような脾破裂とか脾梗塞なんてことになったら命にかかわりますから、安静が大事です」
皮袋が容量の何倍もの水でパンパンにふくらんでいる―― わたしはそんな画を頭の中でイメージした。破裂したら大変だ。

加えて、その週にガリウムシンチという検査をするように言われる。
ガリウムシンチとは核医学検査の一つで、クエン酸ガリウムを静脈注射し、投与後48~72時間後にガンマカメラで撮影し、その分布を画像にするというもの。悪性リンパ腫でよく使われる検査で、腫瘍がどこにあるのかがだいたいわかるらしい。

こうして血液内科と外科の受診、検査いろいろで多忙な日々が始まった。

 

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