2015年3月18日(水)。
血液内科の初診から数日後、同病院の外科を受診した。
診てくれたのはベテランのM 医師。外科部長・消化器病センター長らしい。
声とリアクションが大きく、いかにも外科医という感じ。
第一声、「手術するとなると、連休明け、5月10日の週になりますね」
5月…。あと1か月半もある。それまでに脾臓が破裂しないだろうか。しかし、この病院の外科はとても混んでいるのだそうだ。仕方ない。
M 医師としても、これほど大きくなった脾臓は取るしかない、という見解だった。病理組織診断もないとなれば、摘出した脾臓で生検するしかない。
術式は開腹。脾臓が大きいからね、と M医師。
とにかく、これからできるだけ検査をして、手術に備えますとのこと。
「U病院のCTはスライス厚が5mmなので、うちの病院の2mmで撮り直します」とM医師。スライス厚は薄いのほうが詳細に視られるらしい。
さらに、翌週には別の施設でPET/CTを受けるよう、その場で予約を入れてくれた。後になって、PET/CTを受けるなら血液内科で予約したガリウムシンチは要らなかったのでは…とも思ったが、当時はそんなツッコミを入れる余裕もなく、組まれた予定を粛々とこなすのみであった。
3 /20 ガリウムシンチ
3 /22 PET/CT
3 /23 血液検査、血液内科受診
3 /24
3 /30 造影CT、HTLV検査
4 / 1 外科受診
4 / 2 血液検査、血液内科受診
4 /13 血液内科受診
4 /15 外科受診、術前検査
4 /16 血液内科受診、肺炎球菌ワクチン
4 /22 外科受診
4 /27 血液内科受診
5 / 7 血液検査、血液内受診
●4 / 2(木)血液内科受診
骨髄穿刺の結果が出ていた。
「骨髄に浸潤してました。Ⅳ期ですね」サラリとストレートパンチを繰り出すN医師。しかし、よろけている場合ではない。
「まぁ、この病気は進行してから見つかることが多いですからね。仕方がないんですよ」N医師は当たり前のように言った。悲観しないようにとの配慮からかもしれないが。
リンパ腫の場合、病期よりも病型のほうが重要らしいことは予め調べて知っていた。Ⅳ期=末期ではない、ということも。もちろん初期に見つかったほうが良いのは確かだろうけれど。
●4/13(月)
顔を合わせるなり、N 医師は「HTLV検査の検査ですが、陽性でしたよ!」と。HTLV検査はHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)に感染しているかどうかの検査だ。HTLV-1キャリアは九州に多いので、九州出身者の私は念のため調べてもらっていたのだ。
「HTLV-1は陽性ですが、あなたが発症しているのはB細胞性ですからT細胞性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)ではありません」とN 医師は付け加えた。しかし、今後の治療上、これが必要な情報であることは確かだ。HTLV-1キャリアであることで、治療上の制約が生じないとも限らない。
ちなみに、HTLV-1キャリアであっても約95%の人は生涯病気になることはない。
●4/15(水)外科受診、術前検査
外科で症状などに変わりがないか確認後、術前検査。心電図、レントゲン、呼吸機能、血液と尿検査。
●4 /16(木)血液内科受診
夫同席でインフォームド・コンセント。しかしこれまでの再確認という感じで新たな話はない。
脾臓を摘出するけど肺炎球菌ワクチンは必要ないんでしょうか? と訊くと、N医師はタイミング的にちょうど良い(できれば摘出2週間前には打っておいたほうが良いらしい)から今日やりましょう、と急きょ手配してくれ、接種して帰った。