どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

熱発対策

 

花火見物が終わり、夫を見送って早めに就寝。
夜中、ふと目が覚めて何の気なしに体温を測ってみると… あれ、微熱がある。
体温計は37.7℃ を示していた。もう一度測りなおしたが、37.8℃ だ。入院以来37℃ を超えたことはなかったので、どうやら熱発らしい。悪寒や頭痛はなく、気分はいたって普通だが、37.5℃ を超えたらすぐ言うようにとのことだったので、躊躇せずナースコールする。
体温計を見せると、わかりました、と看護師さんはすぐさま採血→血液培養(血培)を行った。血液培養検査は小さなガラスのボトルに血液を注入し、検査室で培養して血液中に微生物がいないかを調べる。微生物がいる状態を菌血症というらしい。

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菌血症は敗血症と混同されることが多いが、微妙に概念が違うそうだ。菌血症は「細菌が血液中に存在すること」。一方、敗血症は「感染を原因として全身性に炎症が起きている状態」だそうだ。敗血症は細菌感染症が全身に波及したもので、非常に重篤な状態となり、無治療では死に至ることもある。敗血症になったら大変だ。また、菌の検出までには時間がかかるので、熱発したら速やかに血培を行うのだ。


血培が終わると、すぐに抗菌薬マキシピームを点滴。この薬は適応範囲が広いのか、入院中はとにかく発熱したらすぐマキシピーム、後日他の抗菌薬に変更または追加されるのが常だった。

2015年8/10(月)。1コース(R-high-CHOP)のday14。
熱はあれから上がることなく、速やかに収束。今朝も平熱である。
今朝の血液検査の結果、白血球も3,500/μlに回復。M先生によると、わたしは骨髄が強く白血球の戻りが早いらしい。もう感染症の心配はなさそうだが、念のため午前中にマキシピームとトブラシンを点滴。抗菌薬はそれで終了になった。

それにしても熱発の原因は何だったのだろう? もしや夫がバイキンの運び屋だったのだろうか? 回診に来たO先生に訊いてみたら、治療中の感染症の原因は、免疫が落ちたときに自分がもともと持っている菌やウイルスに感染する「内因性」が多く、外部の病原菌による感染は比較的少ないそうだ(もちろん予防は大事だが)
どうやら、夫に非はないらしい(バイキン扱いしてごめんよ)。ともかく、早めの対処で酷くならずに済んだのは幸いだった。

早めといえば、day7からはフルコナゾール(抗真菌薬)、day12からはバクタ(抗菌剤)が処方されて飲んでいた。問題が起きる前に予防的な対策を、なにか起きたら速やかに対処を。この二つは徹底されているようだ。そして、薬の処方はかなりきめ細かく管理されているのを感じる。

病気になる前は、薬はできるだけ使わないほうが良い、と思っていた。しかし、どうやら薬は使うタイミングが大事らしい。予防的に早めに使えば量は抑えられるが、薬を使わずこじらせてしまうと、結果的に比較にならないほど大量の薬が必要になってしまう。とくに感染症は早め早めの対処が大事。患者側もなにかあればすぐに申し出て、判断は医師にゆだねるのが得策だ、と今回の熱発で学んだのだった。

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