どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

レジメンと仲良くなろう(CHASER編)


2015年8月18日(火)2コース(CHASER) の day1。
本日はリツキサン。3回目なので、もう慣れたもの。と思っていたら、夜、軽い動悸が。リツキサンのせいか、寝不足ぎみだったせいか。翌朝にはなんともなかったが、念のため看護師さんに報告しておく。

さて、2~4コース CHASERのレジメンを紹介しよう。

※わたしは医療者ではなく、一患者に過ぎません。ここに書いたことは自分の闘病のために調べたものなので、参考程度にとどめてください。ご自身の病気について考える際は、必ず主治医ほか医療者にご相談ください。

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 投与日はCyclophosphamide がday3。Cytosine arabinoside がday4,day5。Etoposideはday3,day4,day5。 Dexamethasoneはday1,day3,day4,day5,day15。これは合計するとかなりの量になりそう。Rituximabはday1,day15。G-CSFは前コースのR-high-CHOPのときの用途(好中球数の増加促進)に加えて、幹細胞を末梢血(血液)に動員するために高容量で使われる。CHASERの2~4コースのどこかで幹細胞を採取するが、採取するコースではday7より白血球が5000/mm3になるまで・または幹細胞採取が完了するまで高容量(300μg/m2)投与。採取しないコースではday7より通常量(75μg/m2)投与。
以下は薬剤名と商品名の対応表。

<CHASERで使う薬剤一覧>

薬剤名 商品名 種類
Cyclophosphamide(CPA)
エンドキサン
細胞障害薬 アルキル化剤
シクロフォスファミド
Cytosine arabinoside
キロサイド
細胞障害薬(代謝拮抗剤)
シトシンアラビノシド
Cytarabine(Ara-C)
シタラビン
Etoposide
ベプシド、ラステット
細胞障害薬 (トポイソメラーゼ阻害薬)
エトポシド
Dexamethasone
デカドロン
ステロイド
デキサメタゾン
Rituximab
リツキサン
分子標的薬(CD20)
リツキシマブ
G-CSF
ノイトロジン、グラン、ジーラスタ
顆粒球コロニー刺激因子
ジー‐シーエスエフ


CHASER療法はもともと再発・難治性のリンパ腫の救援療法で、大量シタラビン併用レジメンとして初発MCLの寛解導入療法としても使われている。末梢血への幹細胞動員にも優れたレジメンで、リツキシマブによるin vivo purging(腫瘍細胞の除去)もできる。抗腫瘍効果と幹細胞採取が期待できて、移植後の再発も抑えられる、おいしい療法というわけだ。

シタラビン、Ara-C、キロサイド(商品名)はよく目にするし、なんとなく馴染みのある名前だが、全部同じもの。さらにシトシンアラビノシドとも言うらしい。
シタラビンは、増殖の盛んながん細胞に多く含まれる酵素を利用してがん細胞の増殖を抑える薬。気になる副作用は吐き気、悪心・嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状、発熱、倦怠感など。色々調べていると、頻度は少ないが心筋障害や一時的な言語障害などが起こることもあるらしい。一応気を付けておいて、何かあれば即申し出ることにしよう。
また、シタラビンで結膜炎になる可能性があるので、予防のためステロイド(フルメトロン)をday3~5まで一日3回点眼することになっている。

エトポシドはDNAの合成に関わる酵素の働きを妨げ、がん細胞の増殖を抑える薬。副作用は貧血、脱毛、吐き気、口内炎、下痢、便秘、頭痛、頻脈など。とくに骨髄抑制と間質性肺炎に注意が必要だ。

そして、もうひとつ。前述したとおり、今回はデキサメタゾン(ステロイド)を大量に使う。day1,day3,day4,day5,day15の5日間、化学療法薬投与前に入れるのだ。おかげで消化器毒性は出にくいが、血糖値の上昇に注意が必要だと専門書に出ていた。
もともと血糖値は、ちょっと高め(発病時のHbA1cは5.9)。1コースのR-high-CHOPでもプレドニン(経口)を大量に使い、デキサメタゾンもリツキサンの前に使っていたので、血糖値は200を超えることが何度かあり、インシュリンを打っていた。しかし、数日で速やかに平常値に戻ったので安心していたのだが。
CHASERを3コース繰り返し、さらに自家移植前の大量化学療法LEEDでもデキサメタゾンを使うとなると…。

うーん、なんだか嫌な予感がする。

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