どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

4. イケメン回診

 

外科病棟の朝は早く、回診はいつも7時前後である。

この病院の外科のドクターはみなとても若く、とくに主治医K先生のチームは「顔で選んだのか?」と勘繰りたくなるくらい顔面偏差値が高い。まわりのおババ患者はみな「イケメン集団」と喜んで回診を心待ちにしていたが、わたしは正直どうでもよかった。それより、そんな若くて腕のほうはダイジョウブか、と青息吐息で案じていた。

 

手術から5日目、土曜朝の回診。カーテンを開けて先生方がゾロゾロと入ってきた。K先生は手早くウインスローうしを抜去。うしよ、ありがとう。さようなら! と別れを惜しむ間もなく、

抗生剤点滴は週明けまで。退院は火曜日かなぁ。まだ炎症の値が高いので、判断は週明けにします」とK先生。

え?退院? ――その一言を聞いた瞬間、目の前の霧がさーっと晴れた気がした。そして、医師たちが「さぁ次にいくぞ」と白衣をひるがえした姿が、まるでスローモーションのようにわたしの眼に映った。このとき、やっとわたしは気づいたのだ。イケメン医師にぐるりと囲まれるという稀有な状況であったことに。イケメン回診は毎朝あっていたのに、もっとじっくり見とけばよかった。もったいないことした。

 

f:id:ABOBA:20170320035332g:plain
イケメン医師にとり囲まれる(※ 妄想イメージ画像です)

 

それにしても、なんとか生きてここから出られそうだ。命の危機を免れ、イケメンをイケメンと認識できるようになると、心に光が差して世の中が明るくなった。術後1週間での退院は、予定より数日早い。改めて順調だったことを知ったのだった。

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 悪性リンパ腫へ
 

PVアクセスランキング にほんブログ村