脾臓っ子摘出
週明け。月曜のイケメン回診で、K先生は「うーん、まだ炎症の値が高いね。退院の判断は当日(明日)の朝だね。抗生剤も明日の朝まで入れましょう」という。でも、後ろの方にいる他の先生たちが「なんか元気になってるよね」とヒソヒソ話しているのが聞こえた…
K先生の「退院」の一言で、身体の中からむくむくと生きる意欲のようなものが湧いてきて、カラカラに乾いた喉が水を欲するように音楽が欲しくてたまらなくなった。 それまでテレビもiPhoneも光ってるものを見るのがつらくて、最低限しか見ていなかった。音も…
外科病棟の朝は早く、回診はいつも7時前後である。 この病院の外科のドクターはみなとても若く、とくに主治医K先生のチームは「顔で選んだのか?」と勘繰りたくなるくらい顔面偏差値が高い。まわりのおババ患者はみな「イケメン集団」と喜んで回診を心待ちに…
翌日も熱は下がらず。なんとか尿のカテーテルはとれてトイレには行けるようになったが、呼吸の苦しさも痛さもまったく良くなる気配がない。うつらうつら眠って目が覚めると相変わらず「うーん、うーん」とうなっている。ICUに移ります、と言われるのを今か今…
朝がやってきた。長く苦しい夜がやっと明けた。 しかし痛みは相変わらずで熱もある。リカバリー室にいるのは手術当夜だけで、翌日は元いた病室に戻されると聞いていたが、こんな状態で大丈夫なのだろうか。死ぬんじゃないのか。病室よりICUに連れていってく…
2015年5月8日(金)。夫の付き添いでK病院外科に入院。 脾臓っ子(夫命名)の摘出手術は翌週月曜だ。すぐに入院・手術のオリエンテーションを受け、執刀医のK医師と面談する。 K医師はハーフっぽい優しい顔立ちのイケメンで、見るからに若い。診察してくれた…