どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

6. 退院

 

週明け。月曜のイケメン回診で、K先生は「うーん、まだ炎症の値が高いね。退院の判断は当日(明日)の朝だね。抗生剤も明日の朝まで入れましょう」という。でも、後ろの方にいる他の先生たちが「なんか元気になってるよね」とヒソヒソ話しているのが聞こえた。ほんの数日前「感染症じゃないんですか」と大騒ぎしたからなぁ。お恥ずかしい。この様子なら、たぶん予定通り明日退院だろう。

 

19日(火)朝。病室をすべて片づけ、荷造りを済ませて回診を待つ。イケメン集団がやってきて、うしろの方の先生たちが「あっ、もう片付けてる」とクスクス笑っている。K先生は「まだ炎症の値が高いけど、おそらくこれはリンパ腫から来ているものだろうと判断します。なので、今日予定通り退院です」と。やったぁ。

喜びを噛み殺しながら「少し質問したいことがあるのですが」というと、K先生は「では、回診の後でまた戻ってきますね」といって去っていった。

 

f:id:ABOBA:20170325235044j:plain

小1時間後、K先生が戻ってきたので、メモしていたことを質問する。

 

――傷の確認などの診察は?

「今後は外科の診察はなし。傷が膿んだり痛みが出たら、外来に来てください」

 

――退院後気を付けることは?

「脾臓を摘ったので血小板の値が高いけど、続きは血液内科で診てもらってください」

 

――腹帯やドレーンの創に張ったフィルムはいつ外したら良いか?

「帰宅後いつでも外して良いですよ」

 

――車の運転はしても良いか?

「良いけれど、気をつけて」

 

質問しながらK先生を見ると、これまでのキリッした感じではなく、初対面のときに受けた印象そのままの、やさしい顔だった。きっとホッとしているんだろうな。これが本来のK先生なのかもしれない。

深々とお辞儀して礼を言い、先生がゆっくり去っていく後姿を見送った。

K先生、ありがとうございました。

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 悪性リンパ腫へ
 

PVアクセスランキング にほんブログ村