どうなってんの? マントル細胞リンパ腫闘病記

2015年3月。脾臓の腫れから発覚した悪性リンパ腫。脾臓摘出・生検の結果、判明した病型はとりわけ手ごわいといわれ、 標準治療も定まっていないマントル細胞リンパ腫(MCL)だった…。 自覚症状のなさと医師のシビアすぎる診断とのギャップに頭の中はチンプンカンプン。いったい全体わたしの身体どうなってんの? MCLと闘う50代オバさんの記録です。

 

脱・キューピーヘア

◆2015年8月27日(木)2コース(CHASER) の day10。白血球減少期。早速この夜、37.6℃の微熱。前回と同じく熱発してすぐ気が付いたので、抗菌薬(マキシピーム、トブラシン)の点滴を開始してもらう。熱さましにカロナールを飲んだら、翌日には平熱に。抗菌薬の…

味覚障害とフレーバードティー

2015年8月23日(日)2コース(CHASER) の day6。day4で投薬が終わり、点滴棒から解放された。そしてG-CSF注の開始。さて、この日から味覚障害が始まった。前コースでは2週間程度で症状は軽減、コースの終わりの外出時にはほとんど気にならなくなっていた。一…

ケモブレイン?

前回書こうと思っていたのに忘れていた件。 わたしが以前乗っていた車はマークⅡだった。と思っていたのだが、廃車の書類を見たら「チェイサー」と書いてあってビックリした(マークⅡとチェイサーは兄弟車)。死ぬまで違う名前で呼ばれるなんて、かわいそうに…

レジメンと仲良くなろう(CHASER編)

2015年8月18日(火)2コース(CHASER) の day1。本日はリツキサン。3回目なので、もう慣れたもの。と思っていたら、夜、軽い動悸が。リツキサンのせいか、寝不足ぎみだったせいか。翌朝にはなんともなかったが、念のため看護師さんに報告しておく。さて、2~4…

記録は便利

2コースCHASERの記憶を辿る前に、ちょっとひと息。現在、2019年7月。4年も前の闘病記を書けるのは、もちろん詳細な記録を取っていたからだ。 学生時代はノートを書くのがすごく苦手。授業のノートなどはヒドイものだった。しかし半年に渡る入院治療ともなる…

週末のリフレッシュ

2015年8/13(木)。1コース(R-high-CHOP)の day17。ついに来るべきものが来た。脱毛だ。 洗髪していたら、ゴソッと抜けた。引っ張れば引っ張るほど抜けてキリがない。が、わかっていたことなので動揺はない。薬が抜ければ、またいずれ生えてくるのだから…

1コース R-high-CHOPの評価

2015年8/11(火)。1コース(R-high-CHOP)のday15。今日はリツキサンの日だ。2回目なので投与時間は前回よりだいぶ早い。昼食後に始めて16時には終了した。1コースはday21まであるが、薬の投与はこれでおしまい。白血球も上がったし、次コースまでゆっくり…

熱発対策

花火見物が終わり、夫を見送って早めに就寝。夜中、ふと目が覚めて何の気なしに体温を測ってみると… あれ、微熱がある。体温計は37.7℃ を示していた。もう一度測りなおしたが、37.8℃ だ。入院以来37℃ を超えたことはなかったので、どうやら熱発らしい。悪寒…

東京湾花火

2015年8/8(土)。1コース(R-high-CHOP)のday12。白血球減少期のため、day8 にG-CSF注再開、以来毎日投与されている。day11に白血球が1,000/μl になったので、そろそろ感染症に要注意だ。週のはじめ、その日担当の看護師K野さんが「今週の土曜日、東京湾…

ドクターはチェックマン

2015年8月2日(日)。1コース(R-high-CHOP)のday6。本日よりG-CSF注(グラン)で白血球を増やす。8/3(月)day7、白血球減少期だが、前日のグランが効いて白血球高値。したがってこの日はグラン中止。G-CSFを注射すると、その夜は高頻度で骨痛、腰痛やだる…

ダメージは0?

2015年8月1日(土)。1コース(R-high-CHOP)のday5。day2 から続いていた輸液がやっと終了、10時に点滴棒から解放された。今のところ副作用が軽いのでとても楽だが、地味に辛いのが尿量測定(尿測)だ。なにせ輸液がジャンジャン入っていたのでトイレ頻回。…

ネクサス・ジャパン MCL対象 オンライン交流会開催

闘病記をちょっと中断してお知らせです。悪性リンパ腫の患者会グループ・ネクサス・ジャパンでは、ZOOMを使ったオンライン交流会を催されています。2019年7月11日(木)つまり今週の木曜の夜、マントル細胞リンパ腫(MCL)の方とそのご家族を対象としたオンラ…

夜中のうがい

2015年7月31日(金)。1コース(R-high-CHOP)のday4。朝起きると、吐き気やだるさはない。が、左手薬指と小指、それに舌下左側にかすかなしびれがある。朝食を食べると、軽い味覚障害も出てきたように感じた。しかしまだ気のせい、と思える程度だ。点滴はソ…

荒野の三悪人

2015年7月30日(木)。1コース(R-high-CHOP)のday3。 朝、プレドニン(経口薬)を20錠を渡される。20錠 !? ずいぶん多いなぁ。とても 小さい薬で、ミントタブレットのフリスクに似た感じだが、かなり苦みがあると看護師さんに説明を受けた。これはちょっと…

レジメンと仲良くなろう(R-high-CHOP編)

2015年7月29日(水)。1コース(R-high-CHOP)のday2(2日目)。 今日は抗がん剤はなし。お昼から輸液が開始され、これは day5 まで続く。その間は点滴棒がお供である。 午後には担当の薬剤師のTさんが挨拶に来られた。親切で相談しやすい雰囲気だ。ここでの…

トップバッター その名はリツキサン

1回の表、チーム R-Hi-CHOPの攻撃。バッター 1番 リツキサン。バッチ来いやー! リツキサン(一般名:リツキシマブ)は 分子標的薬。B細胞性リンパ腫細胞に発現しているCD20抗原というタンパク質に結合し、結合した細胞を破壊(溶解)することでこれらの細胞…

CVカテーテル挿入

2015年7月27日(月)。明日からいよいよ1コース目の抗がん剤治療が始まる。 本日の予定はひとつだけ。薬物を注入するために、中心静脈という心臓に近い太い静脈にCVカテーテル(略してCV)を挿入する。入れる場所は鎖骨下だ。これを入れておけば、点滴のたび…

4. わたしの闘病環境 その2

治療を成功させるためには何が必要か。自分にできることは何か。 窓の外にひろがる景色を眺め、お気に入りの音楽を聴き、心底リラックスしつつ考えた。 まず、自分の病気を知ること。「知らない、わからない、こわい」は一番の敵だ。 つぎに、治療や検査を嫌…

3. わたしの闘病環境 その1

金曜夕方一時帰宅となり、夫と大型量販店へ。買ったのはノートPCだ。あのすばらしい環境に唯一足りないものはPCだけ。用途は医療サイトで調べものをしたり、ニュースを見たりなので、高スペックなものはいらない。タブレットでも良いか、と思ったが、細かい…

2. Kがん病院 入院

2015年7月23日(木)。Kがん病院に入院。夫と姉が付き添ってくれた。 手続きが終わり、病棟へ。治療が始まったら無菌室(個室)とのことだったが、とりあえずこの日は4人部屋へ案内された。看護師さんに採血、副担当医のO先生に全身状態のチェックをしてもら…

1. 入院準備

半年も家を空けるとなると、いろいろと準備も必要になる。うちでは家事分担はあまりやっていなかったので、夫が困らないようにゴミだしルールを表にして壁に貼ったり、洗濯マニュアルを作ったりした。クリーニングに出せるものは出す、米や調味料などの食料…

ご無沙汰です

最後に更新してから2年以上が経過した。 その間リンパ腫は寛解を続けているものの、いろんなことがあった。そのいろいろに対応しつつ過去を振り返って闘病記を書くのは意外と難しく、すっかり時間が経ってしまった。 もし更新をお待ちくださった方がいらした…

春のベランダにて

長かった冬もそろそろ終わり。球根からつぼみが顔を出し、ハーブが花芽をつけて春一歩前の気配が漂う。ベランダに出て剪定ばさみを手に植物の手入れをしていて、ふとこんなことを考えた。 命にかかわる病気を経験するのは「摘心(てきしん)」に似ているな、…

3. 大腸内視鏡検査

家に帰ったわたしは、日経メディカルの記事と、JCOG(ジェイコグ)(日本臨床腫瘍研究グループ) のサイトからJCOG0406の実施計画書をプリントアウトした。これには大まかなレジメン(薬剤の種類や量・期間・手順など)も載っており、自分がどんな治療を…

2. 運命の治療法

Kがん病院の初診から、また検査と診察の日々が始まった。 ・7/ 2(初診日)CT ・7/ 7 胃内視鏡 ・7/ 9 骨髄穿刺、心臓超音波 ・7/10 PET/CT ・7/15 再診 ・7/16 大腸内視鏡 家からKがん病院までは電車で1時間半ほどかかる。何度も通うのは骨が折れ…

1. Kがん病院 初診

2015年7月2日(木)。Kがん病院、初診。 紹介状や病理標本などの資料一式を受付で提出し、外来の診察室へ向かう。大きな病院のわりに、あまり待たされない。受付のシステムがよくできているように感じた。セカンド・オピニオンも含めると相当な患者数だから…

2. 難敵

やっと敵の正体が見えた。それは予想していたよりずっと難敵であることがわかった。家に帰るなり、すぐに手持ちの本やネットでマントル細胞リンパ腫について調べた。 日本では悪性リンパ腫の約 3% を占め、高年層の男性 (男女比2:1) に多い → 3% のうち、男…

1. 不意打ち

入院中、N医師に確定診断が出るまで退院後1か月以上かかる、と言われていた。もともと生検に時間がかかる上、この病院に月1で来院する病理の権威の先生にも診てもらうため、とのことだった。 時間はかかっても、ていねいに診てもらえるのは何よりだ。脾臓摘…

6. 退院

週明け。月曜のイケメン回診で、K先生は「うーん、まだ炎症の値が高いね。退院の判断は当日(明日)の朝だね。抗生剤も明日の朝まで入れましょう」という。でも、後ろの方にいる他の先生たちが「なんか元気になってるよね」とヒソヒソ話しているのが聞こえた…

5. バッハを聴く

K先生の「退院」の一言で、身体の中からむくむくと生きる意欲のようなものが湧いてきて、カラカラに乾いた喉が水を欲するように音楽が欲しくてたまらなくなった。 それまでテレビもiPhoneも光ってるものを見るのがつらくて、最低限しか見ていなかった。音も…

PVアクセスランキング にほんブログ村